今回は実際に クラウド型ERP 導入事例として、家具販売をしている中小企業を紹介してみたいと思う。
結果として、在庫管理、クラウド帳票などを活用し人件費を大きく削減出来た良い例でもある
クラウド型ERP 導入きっかけ
これまでは、在庫管理システムは入れておられなかく、仕入れ伝票や注文書などもすべて手書きをベースに運用をされていた。しかし、10年ほど前からネットショップを開業されてから業績は右肩あがりになり、現在ECサイトの他にも楽天、YAHOOに出店をされている。
導入のきっかけとなったのは、上記のようにオンラインストア、ネットショップ、モールを複数持つようになったことが大きい。
在庫管理システムと クラウド型ERP の違い
こちらの家具店は最初は、オンラインショップを一元管理するために、在庫管理システムを導入された。 全く問題なく機能も満足されていた。しかし未だに実店舗でも商品が売れているタイミングで、オンラインショップでも注文が入ることがあり、現場で混乱が生まれる悩みを持っておられた。
確かに、在庫管理システムは国内製品でも多く展開されているが、あくまでも複数店舗を一元管理というのはネット上での話である。要はECサイト、楽天、Yahoo、Amazonは一元管理できるが、実店舗の在庫との連携は出来ないことが多い。カスタマイズなしであればほぼ出来ないといっても過言ではない。
しかし、クラウド型ERPではあれば、オンラインストアと実店舗との連携が可能なのである。そうすることで、実店舗に対応出来ない在庫管理システムよりは、クラウド型ERPの方が利便性があるということになる
クラウド型ERP は在庫管理だけではない
上記は在庫管理の部分で、ERPに優位性があるとお伝えしたのだが、ERPは基幹システムのため、在庫管理以外の機能も持ち合わせているのである。 在庫管理の他に販売管理や購買管理を出来るシステムが備わっているERPが多い。
こちらも、1日の売上はすべて一つの管理画面で確認が出来る。(在庫状況の確認も可能である)。そのため、売上管理表や帳簿に改めて入力することなく、売上をエクスポートして紙で管理することも可能になる。何よりもフォーマットが一つで管理できることで見やすくもなり、管理も楽になるということである。その販売管理機能には、もちろん仕入れに利用した費用なども入力しておけば、粗利や営業利益などもすぐにわかる。
そのため会社のお金の動きをも管理することが出来るため、ここでも大きく在庫管理システム以上の役割を果たしてくれるのである
さらに、クラウド帳票、EDIにも
クラウド型ERP のメリットはまだ続く。 先ほどの販売管理の流れで、仕入れ伝票や、請求書などそれぞれ紙で管理していた帳票類があると思うのだが、これらは全てクラウドで管理することが可能になる。2020年の法改正でで電子法が見直しされ、重要な書類なども電子化で保管して良いということになったのである。小売りをされていると、仕入れ先、請求先とそれぞれ、紙でのやり取りだったがこれもEDIを利用すれば、すべてインターネット上で書類のやりとりが完結でき、自社の利用しているクラウドERPの中に保存されているということになる。(一部書類は税務署へ届け出が必要)。クラウド帳票が進むことで、大きくは、不要な印刷物をする必要がなくなり、紙、インク、プリンターのカウンター費用など経費を削減できる部分が多くなるというわけだ。
クラウド型ERPを導入で会社に変化
こちらの家具店は、さっそく在庫管理システムからクラウド型ERPへと乗り換えられたのである。クラウド型ERP であれば、大きな初期投資も不要であり、月額のランニングコストも安いことから、これまで利用していていた在庫管理システムの利用料とほぼ変わらないであった。ただ、在庫管理に加え、販売管理、クラウド帳票、EDIが利用可能になったことや、それらの機能のおかげで従業員の業務負担が減ったということで大変メリットを感じられたようである
これまでかかっていた残業代や、経費が浮いた分は、ネット広告などに回して、さらに販路拡大に努めていておられるようだ。
まとめ
今回の家具店のように、実店舗とオンラインショップとの連携が出来てないでお悩みの中小企業は多いと推測される。なぜなら、クラウド型ERPにここまでの在庫管理の仕組みがあるとは思っていない方が多いからである。 クローズの情報ではないのだが、ここまで調べ上げるユーザーも少ないので、提案時などのヒアリング時にERPのメリットや機能一覧をクライアントに理解してもらう必要がある。
すぐに導入まで決断のしにくい仕組みであるが、是非、在庫管理もクラウド型ERPで試してもらいたいと思う。