今回は、企業資源計画について書いていきたいと思う。企業資源計画と検索すれば出てくる用語で、簡単に言いますと企業の経営資源をどうやって有効活用をしていくか。という手法や概念のことになる。そのことを、enterprise resource planning と英語で表記されることから、その頭文字をとってERPと呼ばれている。またERPというのはシステムを指すと思われる方もいるが、それはERPパッケージという呼称が正しい。ただし時代の流れとともに、企業資源計画はERP。ERPとは業務システムの名称という位置づけとなっていった。
歴史
まずは、企業資源計画が発祥となった時期や場所について。
もともと、IT分野を中心とした調査・助言を行う企業ガートナーが1990年にERPという言葉を使用したと考えられている。さらにいうと、資材所要量計画(MRP; Material Requirements Planning)からの派生している。その後、MRPや製造資源計画(MRP II)などそのあたりも含めて、ERPというくくりになったと考えられている。元々は製造向けのシステムだったのが販売管理、在庫管理、人事、財務などの機能が重なっていった結果、どういった業種、業界でもつかえる社内業務全般をカバーできる業務システムとしてERPが定着するようになっていった。日本語では企業資源計画という意味だが、世界的にはシステムの名称として利用されることになる。
ERPが大きな転換期となったのは2000年初頭と言われている。ちょうどシステムをリプレイスする時期の企業も多くかなさったこともあり、ERPという言葉も一般的に周知されることになった。
その後も引き続き、インターネット環境のもと利用できる業務システムとしてフロントオフィスからバックオフィスまで利用できるシステムとなっていった。
概念
ERPと位置づけ出来るシステムには一定の概念が設けられている。
・リアルタイム(またはほぼ)で動作する
・すべてのアプリケーションをサポートする共通データベース
・モジュール間で一貫したルックアンドフィール
・実装が小さなステップで行われないという条件で、情報技術(IT)部門による精巧なアプリケーション/データ統合を伴うシステムのインストール
・導入オプションには、オンプレミス、クラウドホスト、またはSaaSが含まれる
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E8%B3%87%E6%BA%90%E8%A8%88%E7%94%BB
ただし、あくまでも概念というだけで、世に出ているERP全てが上記の条件を満たしているのかと言われると確証はないという事実である。
機能
ERPは先述の通り、かなり広い範囲をカバーしている業務システムになる。
財務会計:総勘定元帳、固定資産、バウチャー、マッチングと支払いを含む買掛金、売掛金と回収、現金管理、財務統合
管理会計:予算編成、原価計算、原価計算、活動基準原価計算
人事:採用、研修、名簿作成、給与計算、福利厚生、退職年金制度、多様性管理、退職、離職
製造:エンジニアリング、材料請求書、作業指示書、スケジューリング、容量、ワークフロー管理、品質管理、製造プロセス、製造プロジェクト、製造フロー、製品ライフサイクル管理
注文処理:注文から現金化、注文入力、信用調査、価格設定、約束可能、在庫、出荷、販売分析とレポート、販売試運転
サプライチェーン・マネジメント:サプライチェーン計画、サプライヤスケジューリング、製品コンフィギュレータ、注文から現金化、購入、在庫、請求処理、倉庫保管(受け取り、保管、ピッキング、梱包)
プロジェクトマネジメント:プロジェクト計画、リソース計画、プロジェクト原価計算、作業分解図、請求、時間と費用、パフォーマンスユニット、アクティビティ管理
顧客関係管理(CRM):販売およびマーケティング、コミッション、サービス、顧客連絡、コールセンターサポート – CRMシステムは常にERPシステムの一部と見なされるわけではなく、ビジネスサポートシステム(BSS)と見なされる。
データサービス:顧客、サプライヤー、および/または従業員向けのさまざまな「セルフサービス」インターフェース
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E8%B3%87%E6%BA%90%E8%A8%88%E7%94%BB
まとめ
いかがだっただろうか。今回は企業資源計画について理解を深めていただけただろうか。 ERPという言葉の意味がわかっているだけ、システム導入時にどういったものかとイメージすることが出来やすい。その結果システムのミスマッチも防ぐことに繋がるので意味だけは押さえておくことをおすすめする。