今回はERPのような業務システムを一元管理出来るようなシステムをエクセルを用いて代替品として活用できるのかを考えてみたい。業務管理をエクセルで行いたいという要望はそもそも業務管理に費用を掛けたくないという想いが強い企業でありがちではないだろうか。ただエクセルは確かに維持費用はほぼかからないのだが、維持するにはそれなりに大変である。その部分も含めて、システム化するのとどちらが良いのかを比較していきたい。
業務システムで必要なデータ
まずERPの機能をエクセル出来るかという軸で考えたときに、必要な機能としては、在庫管理、購買管理、販売管理、財務会計この辺りがメインになってくる。他にも勤怠管理、顧客管理といったERPに盛り込まれている場合もあるので、今回は業務システム周りの機能をピックアップしていきたい。
在庫管理
こちらは在庫を管理するものとして、在庫管理システムがあるが、エクセル管理でも、あくまでも管理するだけのものとしては可能である。
倉庫にある製品、商品の点数を数えて、それをエクセルに落とし込んでいくだけなのでいたってシンプルなものでいける。
商品名、仕入れ単価、在庫数を最低限抑えて入ればエクセルだけでも可能なはずである。
ただシステムの場合だと、ハンディーターミナルで確実に在庫数を読むので、商品が流動した場合でも、数の数え間違いなどのミスが起こる可能性がかなり低くなり。さらにハンディで読み込んだデータはシステムに連携されているので、データの入力業務も不要になるので業務負担をかなり軽減出来ることが可能。
さらに、在庫数が減った場合の自動発注なども出来るので、在庫切れなどの機会ロスや、不動在庫を大量に抱えるといったリスクもなくなり、常に健全な在庫数を維持しながら運用出来るというのがシステムとして大きい。
販売管理
販売管理もエクセルだけで管理が可能だ。在庫管理と同様の商品名、商品点数、その他販売価格、仕入れ価格を入力出来るように作っておけば良い。さらに日別で確認できるようにしておくと日販、月販などもセルを絞れば確認できる。商品マスタとなるシートを準備しておけば、在庫管理用に作ったエクセルシートとの連動もでき、さらに、見積書、請求書などのエクセルシートにも注文が入ったデータを読み込ませるようにしておけば簡単に帳票も作れる。
一方システムを導入させるとより一層便利になる。上記で述べた内容はもちろん管理画面上のボタン操作だけで可能。商品マスタ登録だけしておくと、在庫管理機能との連携により在庫数を把握しながらクライアントに提案が出来たり、例えばECサイトなど複数店舗運営している場合でも在庫数が常に共有され、1つ売れれば、全店舗の在庫数も1つ減るといったシステムを組むことが出来る。これをアナログで管理すると、全店舗、1つずつ在庫を減らす作業を行わないといけないので、作業のし忘れやミスが発生し、在庫数が正確に把握できない状況になってしまうと収拾がつかなくなってしまう。
財務会計
請求書や売上管理についてもエクセルで管理は可能。上記の販売管理データから売上を把握することが出来るので、その時点でのデータが誤っていなければ、請求書を発行する作業もでき、当月の売り上げなども把握することが可能である。しかしながら、在庫管理からのながれで、販売管理を経由し財務会計、会計担当者へ渡ったデータが正確なものかどうかの判別をしないといけない。クライアントに正確な金額を請求するポジションなので誤った数字を出すわけにはいかないので、そのあたりは二重チェックなどをする必要がある。特にエクセル管理の場合、どこかで計算式などがこわれてしまっていると、そこからの見直しをしないといけない。原因を探すだけでも苦労してしまう。
会計ソフトだけ入れた場合でも、やはり、販売管理の時点であがったデータをCSVデータで取り込んで作業をするということになるので、その時点でデータが誤っていると見直し作業が発生してしまうので不便だ。
ここの部分をシステム化、効率化したいという場合はクラウドERPがおすすめである。ERPとは? 大変便利な業務システムです。
まとめ
いかがだっただろうか。今回はERPと同等の仕組みをエクセル出来るかというテーマで記事にしてみた。結果としてはエクセルでも管理は出来る。ただ、計算式が壊れたりするリスクがあり、データ入力の上流の工程でそれが起こってしまうと、最終の会計担当者のところにデータが届く際は全然違う数字になってしまっている可能性があり、壊れている部分を探すのも苦労するのでおすすめはできない。どうしてもエクセルで管理をしたい場合は、上記のようなリスクをさけるために、在庫管理用のエクセル、販売管理用のエクセル、財務会計用のエクセルといった形でエクセルデータ自体をわけてしまうことをおすすめする。 それでの管理が大変だ、手が追い付かなくなったといいうことであればクラウドERPのようなシステムを導入することをおすすめする。おすすめのERPとは?とお探しの方はまずはERPと検索し比較サイトなどで調べてみるのが良いかと思う。