中小企業のDXはなぜうまくいかないのか。

2020年、IPA情報処理推進機構が実施した「DXの実現に向けた取り組み」を見ると、大企業から中小企業まで多くの企業がDXの実現に難色を示しています。
そこで、IPAが経営者、事業部、IT部門、DX部門を調査、分析したものがあり、新型コロナウイルスが蔓延したことで、さまざまな企業がDX計画を加速させることになったが、ほとんど進展がないことがわかっています。
日本企業全体のリーダーがDXの目標達成に積極的に取り組まなければいけないのですが何故、DX化が進まないかを説明していきます。

DX化が失敗している主な理由

DXの試みは、ビジネスシステム、サービス、製品を近代化し、時代遅れの機能方法を転換し、ダイナミックな市場に対応するために必要でです。

失敗するリスクはありますが、成功のするメリットが非常に多いのが特徴です。
DX化に失敗した企業は一般的に、明確な目標がない、何をしているのか全く認識せずにデバイスやシステムを導入している、DXに関する知識がない、デジタルトランスフォーメーションの知識がある従業員が不足している、といった共通点があります。
こうした試みの失敗の理由を知ることで、企業は無駄な労力と支出を減らすための先手を打つことができます。

なぜDX化するかわかっていない

デジタル・トランスフォーメーション(DX)の狙いを十分に理解しないまま実行に移すと、社員は戸惑うことになります。
DXの効果はすぐには期待できないので、組織全体が長期にわたって協力し合って実現することが重要なのです。とはいえ、DXの概念を理解している人がいなければ、効果的に実施することはできません。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の目標を適切に達成するためには、ただのデジタル化との相違を認識することが重要です。
この違いを正しく理解しないままDXに取り組むと、クラウドERPシステムなどのツールを導入してDX化をしたつもりになっていても、DXの取り組みが実を結ばない可能性が高くなります。

導入したシステムの効果がわかっていない

新しいツールやシステムを導入すれば、組織的な問題が自動的に解決され、生産性が向上すると考える場合には注意が必要です。
まず、ビジネスが直面している問題を認識した上で、そのシナリオに最も適したテクノロジーを選択すべきであり、場合によっては、追加のツールやシステムは必要ないという結論に至ることもあります。
ITツール導入はゴールではなく、目的を達成するための手段であることを認識することが重要です。

そもそもDXをわかっていない

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、企業も従業員もその本質を理解していなければ、失敗に終わる可能性が高いです。
DXは、単にIT機器を活用するだけでなく、既存のモデルや仕組みを大きく再構築する必要があります。DXを成功させるためには、経営者がDXとIT技術に関する基礎知識を身につけ、DXに取り組む目的と目標を明確にスタッフに伝えることが必要です。
もし、経営陣がDXについてよく理解していない場合、ITチームやサプライヤーに責任を押し付け、満足のいく結果を得られない可能性があります。

DXを理解している人材が少ない

デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するためには、ITに精通したプロフェッショナルの獲得と教育が非常に重要です。
IT部門でシステムを企画・設計する人、現場で実際にシステムを構築・運用する人など、技術系の人材はDX人材に分類され、日本では、少子高齢化で労働力が低下しているため、ITに強い人材の確保が難しくなっています。
DXを実現するために必要不可欠な人材の争奪戦が、各社で激化しているのが現状です。

DXを成功させる方法とは?

それではDX化はどうすれば成功するのかをポイントでまとめてみました。

全社員にDX化を理解させる

DXを推進するためには、経営陣がその努力を怠らず、各部門の責任者もその努力に加わらなくてはなりません。そうでないと、特定の事業部だけがDXを進め、組織全体の変革が進まなくなります。
そのためには、経営者が率先して、DXで変えるべきビジネスモデルを明確にし、資源や資金を正しく配分し、同時に変革の必要性を社内に浸透させ、現場の社員を巻き込んで進めていく必要があるのです。

一度に大規模な改革を行おうとすると、期待を持たせておきながら、収益性の高い結果を見ることができず、将来にわたって改革を維持することができなくなります。
一方、金銭的な利益を追求しすぎると、その成果は小さくなり、組織内に留まる可能性があります。
デジタル変革を推進するためには、多くの企業が利用している旧式のハードウェアやソフトウェアが障害となるため、それらを最新の状態にするための地道な取り組みが必要です。
また、このままでは、企業の競争力が低下し、競合他社との差が広がってしまいます。
したがって、古いシステムはそのままに、既存の業務に段階的にデジタルツールを導入し、生産性を向上させることが重要なのです。

会社にマッチしたシステムを導入

日本の多くの企業では、既存の仕組みが古く、複雑な構成になっているため、データを活用することができず、システムが連携して動作していません。また、各部門にデジタル機器を導入しても、内部レイヤーにとどまってしまい、全体的なプログラムを生成できないケースもあります。DXを効率的に進めるためには、統一されたネットワークを構築し、データを全社的に配信・活用できるように調整することが重要です。そうして、活動を効率化することで、生産性を向上させ、ひいては企業の競争力を高めることができるのです。

まとめ

今回は中小企業のDXがうまくいっていない事例と、どのようにすればうまくいくかの2点をまとめてみました。大企業は人材も多くDX化を進めやすそうですが、全従業員がDX化を意識するというのは難しく、中小企業は、そもそもDXに精通している従業員が少なく、どのようにすればよいかわからないといったそれぞれの問題点がありますので、DX化は少しずつしか進められない現状があります。

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